サービス業FC関連時事(2021年3月)
3月9日~12日に「フランチャイズ・ショー2021」が東京ビッグサイトで開催されました。昨年の春は新型コロナの影響で中止となってしまいましたが、今年は感染防止対策を講じた上で無事開催されました。今回は、フランチャイズに関する国内最大の展示会の様子をサービス業FCの観点からまとめていきたいと思います。
コロナ禍に対応したFCショーの取組み
今年のFCショーでの新しい取り組みは大きく2つありました。一つは、開催期間を4日間にしたことです。これまでは3日間の開催だったのを1日延ばしたのは、会場内の混雑防止が一つの目的と思われます。
新しい取り組みの二つめは、オンラインでの同時開催です。特設サイトに登録することで出展者のサービス紹介や商談予約などをオンラインでできる取組みです。
コロナ禍に対応したFCショーになりましたが、入場者数は4日間で16,801人となっており、一昨年の2019年開催時と比較すると1万人以上減少しています(2019年の入場者数は29,946人)。また、FCショー期間中のオンライン会場へのログイン人数は17,211人となっており、オンライン参加と会場参加で参加方法が分かれた形となりました。ちなみに、ログイン人数は、FCショーと同時開催の「JAPAN SHOP」等他の展示会との合計数です。
各出展者のコロナ対策としては、マスク着用・対応テーブルへアクリル板での対応があり、セミナー講師の演題もアクリル板で囲まれていました。例年であれば飲食FCがフードコートで食事販売できるようスペースを設けていましたが、今年はそれが見られなかったのも新型コロナ対応かもしれません。試食も気持ち少ないように感じました。
2019年開催との違い
一昨年の春に行われた「フランチャイズ・ショー2019」との違いは、まずは全体の出展社数です。今年は152社、2019年は207社だったので、約4分の3になりました。コンビニの出展が無い、唐揚げ業態やゴーストレストラン業態が多いなど世相を敏感に反映しているのはFCショーならです。サービス業FCは、2019年の78社に対して今年は63社。介護関連業種の出展が減少し、フィットネスクラブ・マッサージ・レンタル関連の業種は堅調です。
ビッグサイトの入場者数は減少したものの、各出展ブースでは多くの来場者が問合せや相談をされており、コロナ禍でも意欲の高い人、積極的な人がビッグサイトに、情報収集がメインの人がオンライン会場になった可能性はあります。
トレンド分析における生活者の変化「5つの観点」
今年は私も加盟希望者向けセミナーで「Withコロナ時代の業態別フランチャイズトレンド」というテーマについてお話しする機会をいただきました。たいへん多くの方がセミナーに参加くださり、この場を借りてお礼申し上げます。
セミナーの中で、トレンド分析における生活者の変化「5つの観点」を説明しましたのでご紹介します。
- 在宅時間の「充実化」志向
- 生活のDX化(デジタル化)が加速
- 働き方の多様化と副業意識の高まり
- 個人のライフスタイル尊重と「イミ消費」増加
- 対面・体験・コミュニティの価値再発見
新型コロナの影響による生活の変化は、フランチャイズのトレンドに直結します。一方、経営はゴーイング・コンサーンが基本となりますから、一過性ではなく広く生活者に浸透するビジネスを見極めることが必要です。「不易流行」と言いますが、2つのバランスがとても重要な成功要因となることは間違いありません。